退職代行 / 手順

退職代行のときの返却物・制服の返し方と私物の受け取り方

この記事のもくじ
  1. 退職代行を使うと、返却は誰が何をするのか
  2. 返却物の一覧を作る
  3. 返却の手順:7つのステップ
  4. 私物を送ってもらう依頼のしかた
  5. 会社が応じない・取りに来いと言うとき

退職代行を使うときの返却物は、一覧を作り、追跡できる宅配便で会社の指定先に送り、送った記録を残すことで、会社に行かずに返せます。私物は、物の名前と置き場所を書いた依頼を、事業者を通して会社に出し、送ってもらいます。この記事では、退職代行を使う場合の役割分担、返却の手順、制服や機器の扱い、私物の依頼、応じてもらえないときの動きを順に示します。会社に直接連絡する前提での一般的な手順は退職時の貸与品の返却と私物の受け取り:会わずに済ませる方法にあります。

退職代行を使うと、返却は誰が何をするのか

返却物のやり取りでは、本人、事業者、会社の3者が関わります。役割は運営形態で少し変わります。

早見表:返却と私物のやり取りの役割分担
作業 本人 事業者(窓口) 会社
返却物・私物の一覧づくり 作る 一覧を会社へ伝える 一覧を受け取る
返却先の住所の確認 — 会社に聞く 返却先を伝える
梱包と発送 行う 発送の連絡を伝える 受領を連絡する
私物の送付の依頼 内容を決める 依頼として伝える 私物を送る
会社が応じないとき 記録を渡す 運営形態の範囲で対応 —

事業者が担うのは、本人の依頼を会社へ伝える部分です。民間企業運営の場合、本人の意思を伝えるだけの役割(いわゆる使者)にとどまります。東京弁護士会の非弁護士取締委員会は、法律的な問題について業者が報酬を得て本人に代わり会社と話し合うことを非弁行為となる可能性があると指摘しており(弁護士法第72条)、私物の送付を「お願いする」ところまでは伝えられても、応じない会社との条件のやり取りは担えない形になります。弁護士運営なら代理人として、労働組合運営なら団体交渉の事項として扱える範囲があります。違いは退職代行の弁護士・労働組合・民間企業の違い:交渉できる範囲を比較にまとめています。

荷物は、本人が自分で送る形が基本です。事業者が荷物を預かる形があるかどうかは契約で決まります。申込みの際に、荷物の扱いと、返却の連絡が料金に含まれるかを聞いておきます。料金に含まれるものの確かめ方は退職代行の追加料金チェック:申込み前に聞く8つの質問に質問の形でまとめています。返金の条件は退職代行の返金保証は何を保証する?条件の読み方と注意で読めます。

返却物の一覧を作る

最初に、手元の物を一覧にします。

区分 例 扱い
返す物 社員証、入館カード、鍵、名札、制服、作業着、名刺、会社のパソコン・携帯電話、社用のカード 会社の指定先へ送る
判断に迷う物 自費で買った仕事用の道具、預かった取引先の資料 「返す/持ち帰る」を事業者経由で確かめてから動く
会社へ返す健康保険の物 資格確認書(被扶養者分を含む) 協会けんぽ埼玉支部は、退職後すぐ事業主へ返却するよう案内。水色の保険証は令和7年12月2日以降は回収不要で、自分で破棄する
受け取る物 机やロッカーの私物 送ってもらう依頼を出す

名刺は、受け取った名刺を含めて会社のものとして扱われることがあるので、返す側に入れます。制服は、クリーニングの要否が会社ごとに違います。保険証や資格確認書の扱いは退職代行で辞めた後の保険証の返却と、次の健康保険・年金の手続きにあります。

一覧の作り方は、申込み前の準備として退職代行を使う前の準備チェックリスト:書類・貸与品・私物・連絡先にもまとめてあります。

返却の手順:7つのステップ

  1. 申込み時に返却物の一覧を事業者に渡す。 事業者から会社へ「郵送で返却する」と伝えてもらいます。
  2. 会社の返却先と送料の扱いを聞く。 返事は事業者経由で受け取り、メールか書面で残します。
  3. 梱包の前に写真を撮る。 物の外観と数を撮ります。機器は傷の有無が分かる向きでも撮ります。
  4. 一覧を同封する。 箱の中に1枚、事業者への報告用にもう1枚を用意します。
  5. 追跡できる宅配便で送る。 伝票の控えを保管します。機器や貴重な物は、補償のあるサービスを選ぶ方法もあります。
  6. 発送を事業者に連絡する。 日付、伝票番号、箱の数を伝え、会社へ知らせてもらいます。
  7. 到着の記録を取る。 会社の受領連絡か、追跡画面の「配達完了」の画面を保存します。

制服や作業着は、返す前にポケットの中身を確認します。名札や社章が付いていれば、一緒に入れます。パソコンや携帯電話は、中のデータを消したり初期化したりせず、そのまま返します。 私物のデータが入っていて取り出したいときは、自分の写真や書類のコピーだけを取り、会社の業務データは持ち出しません。迷う場合は、取り出してよいかを事業者経由で聞きます。

私物を送ってもらう依頼のしかた

私物は、物の名前と置き場所、希望の送付先、期限を書いた依頼を、事業者を通して出します。

私物の送付を頼む依頼の例:「〇〇が会社に残している私物について、下記の物を〇月〇日までに、〇〇(住所)あてに宅配便でお送りください。①〇階の自席の引き出しの黒い筆箱、②ロッカー(番号〇)の傘と上着、③机の上のマグカップ。送料は着払いでお願いします。」

出す前に、次の3点を確かめます。

  • 印鑑、通帳、鍵など代わりのきかない物を会社に預けていないか
  • 預けたままの物と、会社から借りている物を、一覧の中で分けて書いたか
  • 着払いにするか、先に費用を聞くか(会社の扱いが分かれる)

労働基準法第23条は、退職した労働者の請求があれば、7日以内に賃金を払い、積立金、保証金、貯蓄金など労働者の権利に属する金品を返すよう定めています。この条文が扱うのは賃金や積立金などの金品で、机やロッカーの私物の返還は別の話です。私物は、上のように物と場所を特定した依頼で求めます。

会社が応じない・取りに来いと言うとき

会社が「取りに来い」「直接持ってこい」と言う場合の動きを、場面別に整理します。

場面 動き方
「直接持ってこい」と言われた 体調や安全を理由に郵送を求める旨を、事業者から会社へ書面で伝える。家族や知人に頼む案もある
私物が送られてこない 期限を決めた2通目の依頼を事業者経由で出し、送った日と文面の控えを残す
返却物の受け取りを拒まれた 送付の記録を保管し、再送するかを事業者と相談する
返却しないと賠償を請求すると言われた 請求の根拠と金額を書面で求め、弁護士に相談する。考え方は退職代行を使うと損害賠償を請求される?その心配の確かめ方にある
給料から返却物の代金を引くと言われた 賃金は全額払いが原則(労働基準法第24条)。差し引きの根拠を書面で確認し、労働基準監督署の窓口に相談する

顔を合わせずに済ませたいときは、家族や知人に受け渡しを頼む方法もありますが、会社の人事担当者を介する形にして、加害者本人が出てこない時間帯を指定してもらうよう、事業者を通して依頼します。相談できる窓口の番号と受付時間はパワハラの相談窓口一覧:電話番号・受付時間・できることの早見表にあります。

送り終えたら、伝票、写真、メール、受領の記録は、退職後もしばらく保管します。次は、会社から届く書類の確認です。内容は退職代行で辞めた後の離職票・書類:届かないときの対処にあります。

よくある質問

Q. 制服はクリーニングしてから返す必要がありますか?

会社の指示に従うのが基本です。クリーニングの要否は、就業規則や制服の貸与時の取り決めにあることがあります。決まりが分からないときは、洗濯した状態で返すか、そのまま返すかを、窓口の事業者を通して会社に聞き、返答を文字で残します。

Q. 返却物の送料は誰が払いますか?

取り決めがなければ、会社に聞くのが先です。聞かずに着払いで送ると受け取りを拒まれることがあります。聞いても返事がないときは、追跡できる元払いで送り、領収の控えと送付の記録を残して、費用の扱いを事業者に相談します。

Q. 返却物を送らないと、給料から引かれたり損害賠償を請求されたりしますか?

賃金は、法令に定めがあるか、書面の協定があるときを除き、全額を払うのが原則です(労働基準法第24条)。会社が一方的に給料から差し引くことが認められるかは、この条文が出発点になります。個別の請求を受けたときは、運営形態に応じて弁護士や窓口に相談してください。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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