退職代行で辞めた後の保険証の返却と、次の健康保険・年金の手続き
この記事のもくじ
退職代行で辞めても、保険証が使えるのは退職日までで、退職日の翌日からは前の会社の健康保険は使えません。会社に出向かず済ませたい場合は、保険証の返却を郵送にしてよいかを運営者を通して確かめ、並行して次の健康保険と年金の切り替えを14日〜20日以内に動かすのが要点です。
保険証・資格確認書は退職日まで:種類で返却が変わる
協会けんぽの案内によれば、在職中の保険証や資格確認書を使えるのは退職日までです。退職日の翌日(資格喪失日)以降に使うと、受診した医療費のうち協会けんぽが負担した分(総医療費の7〜9割)を後日返すことになります。国民健康保険などに入っていても、返還は必要とされています。
返却は次のように分かれます。
| 手元にあるもの | 返却 |
|---|---|
| 水色の健康保険証(令和7年12月2日以降) | 回収は不要。個人情報に注意して自分で破棄する |
| 資格確認書(被扶養者分も) | 勤め先へ返却。期限が切れたものも、協会けんぽ宮城支部は速やかな返却を求めている |
| マイナ保険証(マイナンバーカード) | 再登録は不要だが、カードの扱いは新旧の保険者へ確かめる |
マイナ保険証について、厚生労働省のQ&Aは、利用登録が済んでいれば転職や退職のあとに再登録は不要としています。新しく入る保険者への異動届などの手続きは、従来どおり必要です。カードそのものを会社へ返すかどうかは、公式のページには書かれていないので、加入していた保険者と新しい保険者に聞きます。
退職代行を使った場合、返却物のやり取りは会社との接点になります。貸与品と合わせて郵送で返す手順は退職代行のときの返却物・制服の返し方と私物の受け取り方にまとめています。
新しい保険が反映されるまでの注意
退職したあと新しい健康保険に入っても、マイナ保険証に新しい資格情報が反映されるまで時間がかかります。協会けんぽ宮城支部の案内では、会社の資格取得届などを日本年金機構が受理してから反映まで2〜5営業日程度とされ、その間に受診すると一度10割負担になり、あとで払い戻しを受けられる場合があります。受診前にマイナポータルなどで資格情報を確かめ、反映されていなければ、医療機関にその旨を伝えます。
次の健康保険と年金:期限が短い順に
退職後の健康保険は、協会けんぽの任意継続、国民健康保険、家族の扶養の3つから選びます。
| 手続き | 期限の目安 | 窓口 | 押さえること |
|---|---|---|---|
| 任意継続 | 資格喪失日から20日以内 | 協会けんぽ支部 | 退職までの被保険者期間が継続して2か月以上。期間は2年。保険料は在職時の約2倍(事業主負担分を含むため) |
| 国民健康保険 | 14日以内を目安に確かめる | 市区町村 | 保険料は市区町村ごとに違う。離職理由によっては軽減がある |
| 国民年金 | 退職日の翌日から14日以内 | 市区町村・年金事務所 | 令和8年度の保険料は月17,920円。失業時の免除・猶予の制度がある |
| 家族の扶養 | 家族の勤め先を通す | 家族の勤め先 | 収入の基準などは加入先の案内で確かめる |
任意継続は申込みの期限が短いため、退職代行で辞めたあとに離職票を待っていると間に合わない場合があります。任意継続を選ぶなら、退職日が分かる書類を会社に頼む際にいつまでに必要かも伝えます。国民健康保険と国民年金の窓口では、資格喪失日が分かる書類(離職票など)を求められることがあるので、窓口に必要書類を電話で聞いておくと、会社への依頼がまとまります。
国民健康保険には、雇用保険の特定受給資格者などの人に、前年の給与所得を30%として保険料を計算する軽減があり、離職の翌日から翌年度末までが対象です。対象の考え方は退職代行で辞めたときの失業保険:離職理由はどう扱われるかの離職理由の話とつながっています。
選び方と保険料の比べ方は退職後の健康保険の選び方:任意継続・国民健康保険・家族の扶養に、年金と住民税は退職後の年金・住民税の手続き:辞めた月で変わる払い方にあります。
退職日と保険の空白をつくらない
退職日の翌日から次の保険に入るまでの間に、受診の予定があるかを考えておきます。通院を続けている人は、退職日を月末にするか月の途中にするかで、保険料の月割りの扱いが変わる場合もあるため、加入する保険者に尋ねます。持病で通院中の場合は、次の保険の資格が確認できるまで、診察のたびに窓口で状況を伝えてください。
家族に扶養されている人が退職した場合は、逆に家族の勤め先が扶養の手続きを行うため、家族に退職日と書類の提出期限を知らせます。
会社に頼む書類を、代行の申込みに入れておく
保険の切り替えには、会社が出す書類が要ります。依頼のとき、次の3点を運営者に伝え、会社へ請求してもらいます。
- 資格喪失日が分かる書類(健康保険の資格喪失証明書、または離職票)
- 離職票(失業保険を受け取る場合)。届かないときの動き方は退職代行で辞めた後の離職票・書類:届かないときの対処に分けています
- 基礎年金番号が分かる書類(基礎年金番号通知書など。市区町村や年金事務所の窓口では、ほかにマイナンバーと本人確認書類を求められる)
書類の請求は、会社に連絡できる運営形態か、本人が会社に連絡する形かで進め方が変わります。会社との連絡を自分でしたくない場合は、請求まで頼める運営者を選びます。
よくある質問
Q. 退職代行を使うと、保険証を会社に返さなくてもよいですか?
返却の要否は、保険証の種類で変わります。協会けんぽの案内では、水色の健康保険証は令和7年12月2日以降は回収が不要で、自分で破棄します。資格確認書は勤め先への返却が求められます(期限切れのものも同様)。会社に出向けない場合は、郵送で返せるかを運営者を通して会社に確かめます。
Q. 退職日の翌日から保険証を使ってしまったら、どうなりますか?
資格喪失日以降に使うと、協会けんぽが負担した医療費(総医療費の7〜9割)を返還する必要があります。退職後に国民健康保険に入っていても同じです。新しい保険に入るまでの受診は、10割払いをして後から払い戻しを受ける手順もあるため、加入先に聞いてください。
Q. 保険の切り替えは、いつまでにすればよいですか?
任意継続は資格喪失日から20日以内、国民健康保険と国民年金は14日以内が目安です。家族の扶養に入る場合は、家族の勤め先を通した手続きになります。どれを選ぶかは保険料と家族の状況で決まるため、期限が短い順に動きます。
出典・参考にした公的な情報
- 退職後の資格確認書・保険証の取り扱い(協会けんぽ 埼玉支部)(全国健康保険協会)
- 退職される方のマイナ保険証や資格確認書の使用について(協会けんぽ 宮城支部)(全国健康保険協会)
- マイナンバーカードの健康保険証利用についてよくある質問(厚生労働省)
- 任意継続(退職後の健康保険)(協会けんぽ)(全国健康保険協会)
- 会社を退職したとき(国民年金の手続き)(日本年金機構)(日本年金機構)
- 国民年金の加入(退職日の翌日から14日以内)(日本年金機構)(日本年金機構)
- 国民年金保険料(令和8年度 月17,920円)(日本年金機構)(日本年金機構)
- 国民健康保険の保険料・保険税について(非自発的失業者の軽減)(厚生労働省)
- 国民健康保険法施行規則・同法施行令(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。