適応障害の休職中に遊びに行くのはだめ?外出・旅行と主治医への確認
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適応障害の休職中に遊びに行くこと・旅行することは、法律で一律に禁じられているわけではなく、判断の軸は「主治医が療養の一部として認めている段階か」と「会社の就業規則や休職中の約束に反しないか」の2つです。休職は会社の仕事をする義務が一時的に免除されている期間で、その目的は回復です。外出が回復に役立つ段階なら、遊びに行くことを一律に悪いと考える必要はありません。そのうえで、SNSや人目による誤解を避ける工夫をしておくと安心です。
適応障害の休職中に遊びに行くのはだめ?判断は主治医と規程の2つ
休職中の外出が問題になるかどうかは、「その外出が療養の目的に沿っているか」で決まります。モデル就業規則の解説は、休職を身分を保ったまま一定期間「就労義務を免除する特別な扱い」としています。免除されているのは仕事で、生活のすべてではありません。
回復の過程では、外に出ることが復帰の準備になる場面もあります。厚生労働省の職場復帰支援の手引きは、試し出勤制度の例として、勤務時間と同じ時間帯に図書館などで過ごす「模擬出勤」や、職場の近くまで通常の経路で移動する「通勤訓練」を挙げています。外出は、段階が合えば回復の手段にもなるということです。なお手引きは、試し出勤などを行うときは、主治医から療養の支障にならないとの判断を受けることが必要としています。
一方で、どの段階で何をしてよいかは人によって違います。それを判断するのは主治医で、本人や会社の人が見た目で決めるものではありません。迷ったら次の2点を確かめます。
| 確かめる相手 | 確かめること |
|---|---|
| 主治医 | いまの段階で外出・旅行をしてよいか、どのくらいの時間・距離までか、疲れが出たらどうするか |
| 会社(就業規則・人事) | 休職中の所在の届け出、連絡日の決まり、療養に専念する旨の定めがあるか |
傷病手当金を受けている人は、外出で給付が止まるのではと心配になるかもしれません。協会けんぽの説明では、要件は「仕事に就けないこと」で、療養担当者の意見などをもとに本人の仕事内容を考えて判断されます。外出そのものではなく、仕事に就けるかどうかが問われる、という整理です。
外出・旅行の種類ごとに確かめること
外出と一口に言っても、近所の散歩と泊まりの旅行では体への負担が違います。主治医に聞くときも、種類を具体的にして聞くと答えをもらいやすくなります。
| 外出の種類 | 主治医に確かめること | 会社との関係で気をつけること |
|---|---|---|
| 散歩・近所の買い物 | 生活リズムを整える目的で取り入れてよいか | 特になし。日々の過ごし方として記録に残す |
| カフェ・図書館・映画 | 人の多い場所で疲れや動悸が出ないか | 職場の近くを避けたいなら場所を選ぶ |
| 日帰りの遠出・趣味の集まり | 移動時間と、帰宅後に疲れが残らないか | 連絡日と重ならない日にする |
| 帰省 | 家族と過ごすことが休養になるか、負担になるか | 長く家を空けるなら所在を人事に伝える |
| 泊まりの旅行 | 睡眠と服薬のリズムを保てるか、旅先で受診が必要になったとき | 規程に届け出の定めがあれば従う。連絡日をずらす必要があれば先に頼む |
| 海外旅行 | 時差・移動の負担・薬の持参・現地の医療 | 連絡が取れない期間を作らないよう、事前に相談する |
表の右側にあるとおり、会社に関係するのは主に「連絡が取れるか」と「規程の届け出」です。休職中の会社との連絡の取り方は「休職中の会社への連絡:経過報告の頻度とメール例文」に例があります。
主治医への聞き方:外出の許可をもらうときの例文
主治医に外出のことを聞くのは気が引ける、という人もいます。けれども、外出の可否は療養の方針そのものなので、遠慮なく聞いてよい事柄です。聞くときは「行きたい理由」「行き先と時間」「心配なこと」の3点をそろえます。
文例(受診時に):「来月、家族と一泊で温泉に行く予定を立てたいと思っています。移動は電車で2時間ほどです。いまの状態で行ってもよいか、気をつけることがあれば教えてください。人混みで気分が悪くなったときの対処も聞いておきたいです。」
文例(許可が出たあと、メモに残す):「○月○日の受診で、日帰りの外出は可、泊まりは様子を見てからと言われた。」
許可の内容は、日付とともにメモしておきます。会社から外出について聞かれたときや、復職前の面談で過ごし方を聞かれたときに、そのまま説明に使えます。回復の段階ごとの過ごし方の目安は「適応障害の休職中の過ごし方:回復の段階ごとにしていいこと」を参考にしてください。
休職中の外出がバレるのが心配なとき:SNSと人目
休職中の外出で後から問題になりやすいのは、外出そのものより「見え方」です。療養中に楽しそうな写真が出回ると、事情を知らない人から誤解されることがあります。次の点を見直しておきます。
- SNSへの投稿を控える。 投稿するなら、会社の人がつながっていないアカウントか、公開範囲を絞ったものに限る。
- 位置情報を切る。 写真の位置情報や、リアルタイムの位置共有をオフにする。
- 日付が分かる投稿は時間をおく。 投稿したい場合も、休職中の日付が特定されない形にする。
- 職場の近くや同僚がよく行く場所を避ける。 偶然会うことを気にするなら、場所を選ぶだけで負担が減る。
- 会ったときの一言を決めておく。 「主治医と相談しながら、少しずつ外に出ています」と短く伝える。
それでも誤解を受けたときは、主治医から外出の許可をもらっていること、療養の一環であることを人事に伝えます。主治医の許可のメモがあれば、説明は短く済みます。周りの目が気になって休むこと自体がつらいときは、「適応障害の休職に罪悪感があるとき:甘えではない理由と休み方」もあわせて読んでください。
外出のあとに疲れが出たら
外出した翌日や数日後に、だるさや気分の落ち込みが出ることがあります。その反応は、外出の量が合っているかを主治医と考えるための大切な材料になります。
- 外出した日・時間・場所と、翌日の体調をメモする
- 疲れが2〜3日以上続くなら、次の受診で主治医に伝える
- 外出の予定を詰め込まず、出かけた翌日は家で過ごす日にする
外出と同じように、休職中の「次の仕事探し」も主治医や規程との関係を確かめる必要があります。こちらは「適応障害の休職中に転職活動はしていい?会社との関係と注意点」で扱います。休職期間が終わりに近づいていて外出どころではないという人は、「休職中に解雇される?休職期間満了による退職の扱い」で期間満了の前に確かめることを整理しています。
よくある質問
Q. 休職中に海外旅行へ行ってもいいですか?
国内の外出より、移動の負担、時差、薬の持参、現地で体調を崩したときの受診先など、主治医と相談する点が増えます。会社との連絡日に連絡が取れなくなる場合は、事前に連絡日をずらしてもらう必要もあります。主治医が療養の妨げにならないと判断し、会社の規程にも反しないことを確かめてから計画します。
Q. 旅行に行ったら傷病手当金が止まりますか?
傷病手当金の要件は「療養のため仕事に就けないこと」で、協会けんぽは療養担当者の意見などをもとに本人の仕事内容を考えて判断するとしています。外出したかどうかそのものが要件として書かれているわけではありません。ただし、申請書の医師の意見と実際の過ごし方が大きく食い違うと説明を求められることもありえるので、外出の許可も含めて主治医と話しておきます。
Q. 同僚に外出先で会ってしまいました。どうすればいいですか?
その場では「主治医と相談しながら、少しずつ外に出るようにしています」と短く伝えるだけで十分です。詳しい病状を話す必要はありません。気になる場合は、次の連絡日に人事へ「主治医の指示で外出の練習をしています」と一言添えておくと、後から誤解が広がるのを防ぎやすくなります。
出典・参考にした公的な情報
- モデル就業規則(令和7年12月版)第9条とその解説(厚生労働省)
- 心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き(試し出勤制度等)(厚生労働省・独立行政法人労働者健康安全機構)
- 傷病手当金(協会けんぽ)(全国健康保険協会)
出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。