状況別の対処 / 手順

パワハラを人事に相談する方法:面談で伝える順番と動かないときの次

この記事のもくじ
  1. 人事に相談する前に確かめておくこと
  2. 面談で伝える5点と話す順番
  3. 面談の当日:持ち物と記録の残し方
  4. 人事が動かないときの次の手

パワーハラスメント(パワハラ)を人事に相談するときは、「いつ」「誰が」「何を」「どんな影響が出ているか」「会社に何をしてほしいか」の5点を1枚のメモにまとめて面談に持っていき、面談の後に内容をメールで送り返して記録を残します。 人事に正式に申し出ることは、会社の体制を使う正当な手続きで、申し出たことを理由に不利益に扱うことは禁じられています。人事が動かないときは、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談し、会社に対する助言・指導・勧告や調停を求める道があります。

人事に相談する前に確かめておくこと

最初に、自分の会社でパワハラの相談をどこが受けるのかを確かめます。人事部が窓口のこともあれば、別に相談窓口や外部に委託した窓口があることもあります。就業規則、社内のポータル、入社時の資料に書かれていることが多いです。窓口の違いは社内のハラスメント相談窓口の使い方と会社が委託する外部の相談窓口の使い方で説明しています。

厚生労働省のパワハラ指針は、会社に次のことを求めています。人事に相談するときは、これを前提に質問できます。

指針が会社に求めていること 相談の最初に尋ねたいこと
相談窓口を定め、担当者が適切に対応できるようにする 「この相談は、どなたが担当してくださいますか」
パワハラに当たるか微妙な場合も、広く相談に応じる 「パワハラかどうか自分でも迷っていますが、聞いていただけますか」
相談者・行為者のプライバシーを守る 「今日お話しする内容は、どの範囲の方に共有されますか」
相談したことを理由に不利益な扱いをしない旨を定め、周知する 「相談したことで評価などに影響しないと考えてよいですか」

体調の悩みが中心なら、人事より先に産業医に話す方法もあります。その場合の伝え方はパワハラを産業医に相談するときの伝え方にあります。

面談で伝える5点と話す順番

人事の面談は30分から1時間ほどのことが多く、話があちこちに飛ぶと要点が残りません。次の5点を、この順で話します。

人事との面談で伝える5点(メモの例つき)
順 伝えること メモの例
1 いつから・どのくらい 今年4月から。週2〜3回。直近は10月20日
2 誰が(自分との関係) 直属の○○課長。評価者でもある
3 何を 会議で「やる気がないなら辞めろ」と大声で言われる。資料を机に投げられたこと2回
4 どんな影響 眠れない。9月から通院。会議の前に動悸がする
5 会社にしてほしいこと 事実を確かめてほしい。当面、課長と一対一の場をなくしてほしい

3の「何を」は、記録から代表的な出来事を2〜3件選び、言われた言葉をそのまま読み上げます。全部を話そうとせず、残りは時系列表として渡します。

5の「してほしいこと」が一番伝え忘れやすい点です。指針は、事実が確認できたときの措置として、被害者への配慮(引き離すための配置転換など)、行為者への措置、再発防止を挙げています。何を望むかをはっきり言うと、人事が次に何をするかを決めやすくなります。まだ決めていなければ「まずは話を聞いてほしい。調査に進むかは相談して決めたい」と伝えてもかまいません。

面談の当日:持ち物と記録の残し方

当日は次のものを持っていきます。

  • 5点をまとめたメモ(自分用と、渡す用の2部)
  • 時系列表(作り方はパワハラの時系列表の作り方)
  • 証拠のコピー(メールの印刷など)。原本やデータは手元に残す
  • 通院している場合は、受診日の分かるもの(提出するかは自分で決める)

面談中は、人事が言ったことをメモします。特に「次に何をするか」「いつまでに」「誰に話を聞くか」は聞き漏らさないようにします。録音したいときの考え方はパワハラ相談の場を録音してもいい?を参照してください。

面談が終わったら、その日のうちに確認のメールを送ります。

確認メールの例:件名「本日のご相談内容の確認」/本文「本日はお時間をいただきありがとうございました。確認のため、本日の内容をお送りします。・ご相談した内容:○○課長からの言動(今年4月から、週2〜3回)・お渡しした資料:時系列表1部・お願いしたこと:事実の確認と、当面の課長との接点の調整・今後の進め方:○日までに担当の方からご連絡をいただける・共有の範囲:調査に入る前に私に確認していただける。認識に違いがあればお知らせください。」

返信がなくても、送ったメールそのものが「いつ何を相談したか」の記録になります。相談と回答を書面にしてもらう方法はパワハラ相談の記録を会社に残してもらう方法に詳しくあります。

人事が動かないときの次の手

人事に相談しても進まないときは、反応に応じて次の手を選びます。

人事の反応 次にすること
約束の日を過ぎても連絡がない 期日を示して進み具合をメールで尋ねる。「○日までにご連絡をいただけない場合は、社外の窓口にも相談したいと考えています」
「当事者同士で話し合って」と言われる 指針は会社に事実の確認を求めていることを伝え、会社として対応してほしいと書面で頼む
「パワハラには当たらない」と言われる 誰から話を聞いてそう判断したか、再発防止として何をするかを尋ねる
相談した後に評価や仕事の割り振りが変わった 変化を日付つきで記録し、社外に相談する(パワハラを相談して悪化したときの対処)

社外では、厚生労働省が、会社で対応してもらえないときの相談先として、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)と総合労働相談コーナーを案内しています。労働施策総合推進法 第36条により、労働局長は当事者から援助を求められると、助言・指導・勧告ができます。第37条により、調停を申請すると、労働局長が必要と認めるときに紛争調整委員会が調停を行います。援助や調停を求めたことを理由に不利益に扱うことも禁じられています。番号と受付時間はパワハラの相談窓口一覧にまとめています。

人事以外の社内の道として、直属の上司のさらに上の管理職に相談する方法もあります。伝え方とメールの型は、前の記事パワハラを上司の上司に相談するとき:伝え方の文例とメールの型で紹介しています。上司から離れる形で解決したいときは、次のパワハラで異動したいとき:異動希望の伝え方と会社が配慮すべきことへ進んでください。会社が対応しないと判断する前に確かめることはパワハラを相談しても会社が対応しないときを読んでください。

よくある質問

Q. 人事に相談したことは、パワハラをしている上司に伝わりますか?

会社が事実を確かめるには、行為者からも話を聞くことになるため、調査に進めば相談があったことは上司に伝わります。どの段階で、誰に、何を伝えるのかは、相談の最初に人事に尋ねておきましょう。調査を待ってほしい、まずは話を聞いてほしいだけ、という希望も伝えられます。

Q. 人事の担当者がパワハラをしている上司と親しく、相談しにくいときは?

社内にハラスメントの相談窓口や、会社が外部に委託した窓口があれば、そちらを使えます。上司のさらに上の管理職に相談する方法もあります。社内のどこにも話しにくいときは、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)など社外の公的な窓口から始めてもかまいません。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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