失業保険の手続きの流れ:ハローワークでの求職申込みから受給まで
この記事のもくじ
失業保険(雇用保険の基本手当)の手続きは、離職票を受け取る→住所地のハローワークで求職申込み→7日間の待期→受給説明会→4週間ごとの認定日→振込の順に進みます。最初の窓口で離職票を出したときに受給資格と離職理由が決まり、自己都合で辞めた場合は待期のあとに給付制限がかかります。2025年4月1日以降の離職なら、その期間は原則1か月です。ここでは、各段階で何を持って行き、何を確かめるかを順番に書きます。
体調が悪く、すぐには働けないという人は、この流れに乗る前にすぐ働けないときの失業保険:受給期間延長の手続きと期限を先に読んでください。基本手当は「働ける状態で仕事を探している人」のための給付なので、療養中は受け取れません。
失業保険の手続きの全体の流れ(6段階)
ハローワークの案内をもとに、退職から1回目の振込までを並べると次のようになります。
| 段階 | すること | 場所 | 目安の時期 |
|---|---|---|---|
| 1 離職票を受け取る | 会社が作る離職証明書の離職理由を確かめ、離職票-1・-2を受け取る | 会社から郵送が多い | 退職後しばらくして届く |
| 2 求職申込み | 離職票を出して求職の申込みをし、受給資格と離職理由の判定を受ける | 住所地のハローワーク | 離職票が届いたら早めに |
| 3 待期 | 失業の状態の日が通算7日たつまで、基本手当は出ない | — | 求職申込みの日から |
| 4 受給説明会 | 雇用保険受給資格者証と失業認定申告書を受け取る | ハローワーク | 指定された日 |
| 5 失業認定 | 原則4週間に1回、求職活動の実績を申告して認定を受ける | ハローワーク | 指定された認定日 |
| 6 振込 | 認定された日数分が口座に入る | — | 認定日から通常5営業日 |
自己都合退職の場合は、3と5の間に給付制限の期間が入ります。この期間の分は支給されませんが、その間の求職活動も実績として数えられます(次の章で回数を書きます)。会社都合(特定受給資格者)や、病気などの正当な理由がある自己都合(特定理由離職者)と判定されれば給付制限はありません。
受給するには、離職日以前2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12か月以上あることが原則です(雇用保険法第13条)。特定受給資格者と特定理由離職者は、離職日以前1年間に6か月以上で足ります。賃金の支払いの基礎になった日が11日以上、または働いた時間が80時間以上の月を1か月として数えます。
1回目の窓口で済ませること:持ち物と離職理由の確認
求職申込みは、住所を管轄するハローワークで行います。受付時間は平日の8時30分〜17時15分で、手続きに時間がかかるため16時までに着くよう案内されています。持ち物は次のとおりです。
- 離職票-1と離職票-2
- マイナンバーカードなど、個人番号を確認できる書類1種類
- 運転免許証など写真付きの身元確認書類1種類(なければ種類の違う書類2種類。コピーは不可)
- 写真2枚(縦3.0cm×横2.4cm。マイナンバーカードを提示すれば省略できる)
- 本人名義の預金通帳かキャッシュカード
窓口では、離職票-2に書かれた離職理由をもとに受給資格が判定されます。**退職勧奨やパワハラが原因なのに「自己都合」と書かれていたら、この場で申し出ます。**ハローワークの案内では、離職理由に納得できない場合はハローワークに相談し、ハローワークが事実関係を調べたうえで判定するとされています。そのため、いつ・誰に・何をされたかの記録やメールを持って行くと話が進めやすくなります。
窓口での伝え方の例:「離職票では自己都合になっていますが、上司から繰り返し退職を求められたことが理由で辞めました。そのときのメールと日付を書いたメモを持ってきたので、離職理由の判定について相談させてください。」
どんな場合に会社都合として扱われうるかはパワハラで退職したときの失業保険:特定受給資格者になる場合と確かめ方、異議の出し方の段取りはパワハラ退職を会社都合にするにはで扱っています。離職票がいつまでも届かないときは、離職票が届かないとき:会社への請求とハローワークへの相談の手順で動いてください。
待期7日と給付制限:自己都合は原則1か月
求職申込みの日から、失業の状態にある日が通算7日たつまでの「待期」の間は、離職理由に関係なく基本手当は出ません(雇用保険法第21条)。
正当な理由のない自己都合退職と、本人の重大な責任による解雇(重責解雇)の場合は、待期のあとにさらに給付制限があります(同法第33条)。厚生労働省の説明では、期間は離職日によって次のように分かれます。
| 離職の区分 | 給付制限 |
|---|---|
| 自己都合(2025年4月1日以降の離職) | 原則1か月 |
| 自己都合(2025年3月31日以前の離職) | 原則2か月 |
| 離職日から遡って5年間に、正当な理由のない自己都合退職で2回以上受給資格の決定を受けている | 3か月 |
| 重責解雇 | 3か月 |
| 特定受給資格者・特定理由離職者 | なし |
ハローワークの手続きの案内ページには「待期満了後2か月間」という以前の説明が残っているので、2025年4月以降に辞めた人は厚生労働省の改正の説明で期間を確かめてください。また、2025年4月以降は、離職日前1年以内に教育訓練を受けた人や、離職後に教育訓練を受ける人は、申し出によって給付制限が解除されます。解除には訓練を行う施設が出す訓練開始日の証明書が要るので、受講を考えている人は窓口で対象の訓練を確かめます。
受給説明会と認定日:4週間ごとの申告で振り込まれる
受給説明会では、雇用保険受給資格者証と、認定日に出す失業認定申告書を受け取り、1回目の認定日が知らされます。その後は原則4週間に1回、指定された認定日にハローワークへ行き、前回からの期間に求職活動をしたことと、働いた日や収入の有無を申告します。
認定を受けるには、認定の対象になる期間に原則2回以上の求職活動の実績が要ります(初回の認定日は1回)。求人への応募や、ハローワークでの職業相談・職業紹介は実績になりますが、求人サイトを眺めただけ、民間の職業紹介に登録しただけでは実績になりません。許可・届出のある民間の職業紹介機関で職業相談や紹介を受けた場合は、実績に数えられます。自己都合の給付制限がある場合は、制限の期間とその直後の認定対象期間をあわせて原則2回以上(給付制限が3か月なら原則3回以上)の実績が要ります(ハローワークの手続きの案内)。アルバイトなどで少しでも働いた日や内職の収入は、隠さずに申告書に書きます。虚偽の申告は不正受給として以後の支給が止まり、返還も命じられます。
1日あたりの金額(基本手当日額)は、離職前6か月の賃金(賞与を除く)の合計を180で割った賃金日額の、おおむね50〜80%です(60〜64歳は45〜80%)。賃金が低い人ほど率が高くなります。上限もあり、2026年8月1日現在、30歳未満は7,450円、30〜44歳は8,270円、45〜59歳は9,110円、60〜64歳は7,830円です。上限額は毎年8月1日に見直されます。
受け取れる日数(所定給付日数)は、一般の離職者なら雇用保険に入っていた期間が10年未満で90日、10年以上20年未満で120日、20年以上で150日です。特定受給資格者などは年齢と期間によって日数が増えます。どちらの場合も、受け取れるのは離職日の翌日から原則1年の受給期間の中だけです。
求職申込みのあとに病気やけがで15日以上続けて働けなくなった場合は、基本手当の代わりに雇用保険の「傷病手当」(健康保険の傷病手当金とは別の給付)が出ます。14日以内なら基本手当のまま支給されます。
受給中の求職活動の進め方と、手続きでつまずきやすい点
認定日ごとに実績を2回そろえるには、ハローワークの職業相談を認定日の間に予定として入れておく方法があります。窓口での相談の受け方はハローワークの転職相談の使い方にまとめています。自分の希望に合う求人を広く集めたい人は、民間の転職支援サービスを併用する人もいます。
民間の転職支援を使うときは、登録しただけでは求職活動の実績にならず、職業相談や紹介を受けたことが対象になる点に気をつけます。応募や面接など、認定日に申告できる活動をしたら、日付と応募先をメモしておきます。
最後に、手続きでよくあるつまずきを並べます。
- 離職票を待つ間に受給期間が進む:1年の受給期間は離職日の翌日から数えるので、届くのが遅いときは会社とハローワークに早めに問い合わせる。
- 認定日を忘れる:認定日に行かないと、その前日までの分が支給されない。受給資格者証の日付を予定表に入れる。
- 体調を崩して働けなくなる:15日以上続くなら雇用保険の傷病手当、30日以上続いて求職活動ができないなら受給期間の延長を相談する。
- 病気で辞めたのに自己都合とされる:医師の診断書などで離職理由を説明できる場合がある。診断書の使い道は次に読むパワハラ退職に診断書は必要?で扱っています。
辞める前の段階で、生活費の見通しを立てたい人は仕事を辞めたいけどお金ないときから読むと、使える制度の順番が分かります。
よくある質問
Q. 失業保険の手続きは、退職してからいつまでにすればいいですか?
基本手当を受けられるのは、原則として離職日の翌日から1年の受給期間の中だけです。手続きが遅れて受給期間が先に終わると、給付日数が残っていてもそこで打ち切られます。離職票が届いたら、なるべく早く住所地のハローワークへ行くのが安全です。
Q. 認定日に行けないときはどうなりますか?
東京労働局のQ&Aでは、指定の認定日に来所しないと、その認定日の前日までの分は認定されず支給されないとしています。行けないと分かった時点で、手続き中のハローワークに原則として事前に連絡し、指示を受けます。面接や採用試験、本人の病気などは変更が認められる理由に挙げられていて、後で証明書類を出します。
Q. 求職活動の実績には、何が数えられますか?
求人への応募や、ハローワークでの職業相談などが実績になります。インターネットや新聞で求人を眺めただけ、知人に仕事の紹介を頼んだだけ、民間の職業紹介に登録しただけでは、実績として扱われません。迷う活動は、認定日の前に窓口で確かめておくと安心です。
出典・参考にした公的な情報
- 基本手当について(ハローワークインターネットサービス)(厚生労働省)
- 雇用保険の具体的な手続き(ハローワークインターネットサービス)(厚生労働省)
- 令和7年4月からの自己都合離職者の給付制限期間の変更(厚生労働省)
- 雇用保険法 第13条・第20条・第21条・第33条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 求職者給付Q&A(東京労働局)(厚生労働省 東京労働局)
出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。