休職中の傷病手当金の申請方法:申請書の記入欄と支給までの流れ
傷病手当金は、申請する期間が過ぎてから、本人・会社・医師がそれぞれの欄を書いた申請書を、加入している協会けんぽの支部へ出して申請します。協会けんぽの「健康保険傷病手当金支給申請書」は4ページで、1・2ページを本人、3ページを会社(事業主)、4ページを医師(療養担当者)が書きます。審査の結果支払えるときは、受付日から10営業日以内に支払われます。ここでは、協会けんぽの申請書と記入の手引きに沿って、欄ごとの注意と頼み方を確かめます。健康保険組合や共済組合に入っている人は、加入先の申請書を使ってください。
申請書は4ページ:誰がどこを書くか
まず全体像です。どのページを誰に頼むかが分かれば、準備の順番が決まります。
| ページ | 書く人 | 主な欄 |
|---|---|---|
| 1ページ(被保険者記入用) | 本人 | 記号・番号(またはマイナンバー)、氏名、住所、振込先の口座(公金受取口座を使うかどうか) |
| 2ページ(被保険者記入用) | 本人 | 申請期間(療養のために休んだ期間)、仕事の内容、傷病名と発病日、傷病の原因(業務外・業務上・通勤途中)、労災・第三者の行為・給与・年金についての確認 |
| 3ページ(事業主記入用) | 会社 | 申請期間のうち出勤した日(〇で囲む)、出勤していない日に払った給与や手当の日付と金額 |
| 4ページ(療養担当者記入用) | 医師 | 労務不能と認めた期間、傷病名、初診日、症状の経過、治療の内容、その期間に診療した日があったか |
記入の手引きは、主治医が変わったなどで4ページが複数になる場合は申請期間を分け、1〜3ページもそれぞれ書くよう求めています。転院した場合も、それぞれの病院で医師の意見を受けます。
申請の流れ:待期の完成から入金まで
- 連続3日休んで待期を完成させる(有給や土日を含めてよい)
- 申請する期間を決める(暦で3か月以内。期間が過ぎるまで待つ)
- 1・2ページを本人が書く
- 4ページを主治医に書いてもらう(労務不能と認めた期間)
- 3ページを会社に書いてもらう(証明日は申請期間が過ぎた後の日付)
- 電子申請するか、加入している協会けんぽの支部へ郵送する
- 審査の後、支払えるときは受付日から10営業日以内に振り込まれる
はじめての申請では、申請期間を待期の初日(連続して3日休んだ最初の日)から書きます。申請書は、申請期間が過ぎる前には出せません。たとえば10月6日から10月31日までを申請期間にするなら、医師と会社の記入は11月1日以降になります。医師と会社のどちらを先にするかの指示は、申請書にも手引きにも見当たりません。書類ができるまでの日数を医療機関の受付で聞いておき、受診日に合わせて頼むと、全体の流れが読みやすくなります。
本人が書く欄の注意点(1・2ページ)
申請期間。「傷病のため労務に服することができなかった期間」を書きます。3か月を超える場合は申請用紙を分けます。2回目以降は、前回の申請期間の翌日から続けて書くと、期間の抜けが起きません。
**仕事の内容。**記入の手引きは「経理担当事務」「自動車組立」「プログラマー」のように具体的に書くよう求めています。医師が判断する「仕事に就けない」は、この仕事の内容との関係で見られます。退職した後に申請する場合は、在職中の仕事の内容を書きます。
傷病の原因。「1. 仕事中以外(業務外)」「2. 仕事中(業務上)」「3. 通勤途中」から選びます。手引きは、仕事中の病気は原則として労災保険給付の対象で、労災に当たるか分からない場合は労働基準監督署に相談するよう案内しています。続く「労働災害、通勤災害の認定を受けていますか」の欄では、労災を並行して請求している場合に「2. 請求中」を選び、労災の支給が決まって期間が重なったときは受け取った傷病手当金を返すことになります。パワハラが原因の不調でどちらを選ぶかは、パワハラの休職は傷病手当金と労災のどちら?で整理してから書くと迷いません。
**振込先とマイナンバー。**公金受取口座を「希望する」にすると、口座の欄は書かなくて済みます。記号・番号を書いた場合はマイナンバーを書きません。マイナンバーを書いた場合は、本人確認書類のコピーを貼付台紙に貼って添付する必要があります。
会社と医師への頼み方(3・4ページ)
会社が書く3ページは、申請期間に出勤した日と、出勤していない日に払った給与(有給休暇の賃金、出勤の有無に関係なく払う扶養手当・住宅手当など)を証明する欄です。手引きによると、所定労働時間の一部だけ働いた日も出勤した日として〇をつけ、残業手当や見舞金などは書きません。協会けんぽは、出勤簿や賃金台帳の写しなど不要な書類は添付しないよう求めています。
パワハラの相手が上司で連絡を取りたくない場合は、人事・総務の担当者に直接頼んで構いません。郵送で済ませたい場合は、返信用封筒を同封します。
人事への依頼の例:「人事部 〇〇様 傷病手当金の申請のため、申請書の3ページ目(事業主記入用)の記入をお願いします。申請期間は〇月〇日から〇月〇日です。記入済みの1・2ページと、主治医の記入済みの4ページを同封しました。お手数ですが、記入後は同封の返信用封筒でご返送いただけますでしょうか。」
医師に頼むときは、申請書の4ページを受付に出し、労務不能と認めてもらう期間を伝えます。
受付・医師への伝え方の例:「傷病手当金の申請書の4ページ目の記入をお願いします。申請期間は〇月〇日から〇月〇日までです。仕事は〇〇(具体的な業務)で、休み始めたのは〇月〇日です。」
つまずきやすい点と、相談先
- **会社が3ページを書いてくれない。**証明を断られたり、返送が来なかったりするときは、加入している協会けんぽの支部に相談します。頼んだ日付と相手、やり取りの内容は記録しておきます。
- **退職した後の期間を申請する。**手引きは、資格を失った日以降の期間についての申請は、3ページを空欄で出すよう案内しています。退職後に受け取る条件は休職から退職後も傷病手当金を受け取る条件で確かめてください。
- **添付書類が要る場合。**支給開始日以前12か月以内に勤め先が変わった人は「健康保険加入状況等申告書」、労災の休業補償給付を受けている人は支給決定通知書のコピーなどが必要です。
- **申請の期限。**受け取る権利は、仕事に就けなかった日ごとに、その翌日から2年で時効になります(健康保険法193条)。
この記事は申請書の書き方の一般的な説明です。申請書の作成や提出の代行を人に頼みたい場合、社会保険労務士法2条・27条により、報酬を得てそれを業として行えるのは社会保険労務士です。申請書の1ページにも、社会保険労務士の提出代行者の欄があります。制度の条件と金額の計算は休職中の傷病手当金:受け取る条件・金額の計算・期間、休職中の会社への連絡の頻度と文例は休職中の会社への連絡:経過報告の頻度とメール例文で扱っています。
よくある質問
Q. 申請は毎月出さないといけませんか?
協会けんぽの申請書は、1回の申請期間を暦で3か月以内にするよう求めていて、その範囲なら区切り方は選べます。1か月ごとに区切れば入金は早くなりますが、会社と医師に証明を頼む回数が増えます。生活費の余裕と、会社・医療機関とのやり取りの負担を比べて決めてください。
Q. 紙の申請書でなく、電子申請はできますか?
協会けんぽは電子申請を勧めていて、入力内容のシステムチェックや、申請後の処理状況の確認ができると案内しています。電子申請では提出先の支部を選ぶ必要はありません。紙で出す場合は、加入している都道府県支部へ郵送します。支部の窓口で現金を受け取る方法はありません。
出典・参考にした公的な情報
- 健康保険傷病手当金支給申請書(様式・提出先・添付書類・支払いまでの日数)(全国健康保険協会(協会けんぽ))
- 健康保険傷病手当金支給申請書(手書き用・2026.6)(全国健康保険協会(協会けんぽ))
- 健康保険傷病手当金支給申請書 記入の手引き(2026.9)(全国健康保険協会(協会けんぽ))
- 病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)(全国健康保険協会(協会けんぽ))
- 健康保険法 第193条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 社会保険労務士法 第2条・第27条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。