辞めたい・退職 / 文例

退職の伝え方:上司への切り出し方と理由の言い方の例文

この記事のもくじ
  1. 退職の伝え方の基本:誰に・いつ・どこで・何を
  2. 切り出し方の例文:時間をもらう一言から最初の一文まで
  3. 理由の言い方の例文:短く、事実の範囲で
  4. 退職日と引継ぎの伝え方の例文
  5. パワハラが理由のとき:口にするか、誰に伝えるか

退職の伝え方は、**「直属の上司に、時間をもらって、決めたこととして短く伝える」**が基本の形です。理由は詳しく話さなくてよく、「一身上の都合です」の一言でも申入れとして成り立ちます。正社員のように期間の定めがない雇用なら、民法第627条1項により申入れから2週間で雇用が終わり、上司の許可は要件になっていません。この記事では、切り出しの一言、理由の言い方、退職日の伝え方を場面ごとの例文で示し、最後にパワハラを理由として口にするかどうかの考え方を整理します。

退職の伝え方の基本:誰に・いつ・どこで・何を

伝える前に、4つのことを決めておくと、当日の会話が短く済みます。

早見表:退職を伝える前に決める4つのこと
決めること 基本の形 迷うときの考え方
誰に 直属の上司 上司が加害者・話せない相手なら、上司の上司か人事へ
いつ 希望の退職日から逆算して、余裕をもって 就業規則の申出期限を先に確かめる
どこで 会議室など、ほかの人に聞かれない場所 在宅勤務ならオンライン面談、難しければメール
何を 退職したいこと、退職日、引継ぎの見通し 理由は一言で足りる。言いたくなければ言わない

順番も大切です。同僚や取引先に先に話すと、上司の耳に別の形で届き、話がこじれやすくなります。まず上司、次に人事の手続き、最後に周りへのあいさつ、の順に進めます。

伝える時期は、就業規則に「退職は1か月前までに申し出る」などの定めがあれば、それも見ておきます。高知県労働委員会の労働相談Q&Aは、就業規則の申入れ期限が2週間より長い場合でも、極端に長くなければ、その期限に合わせた方が円満に退職できる場合があると説明しています。法律の2週間と就業規則の期限の関係は会社を辞めたいといつ言う?2週間と就業規則の1か月前、言う日の決め方で詳しく扱います。

切り出し方の例文:時間をもらう一言から最初の一文まで

退職の話は、廊下での立ち話や、ほかの人がいる席で始めないのが無難です。まず時間をもらい、その場で最初の一文を言い切ります。

時間をもらうときは、用件を「退職」と書かなくてかまいません。

例文(チャット・メール):「お疲れさまです。今週どこかで15分ほど、個別にお時間をいただけないでしょうか。今後のことでご相談があります。」

例文(口頭):「○○さん、少しだけ二人でお話しできる時間をいただけますか。今日でも明日でも構いません。」

最初の一文は、迷いを見せずに結論から言います。「辞めようか悩んでいて」と始めると、相談として受け取られ、引き止めの話に移りやすくなります。

例文(対面):「お時間ありがとうございます。私事で恐縮ですが、退職することを決めましたので、お伝えに来ました。○月○日を最終日にしたいと考えています。」

例文(オンライン面談):「画面越しで申し訳ありません。本日は退職のご報告です。○月末での退職を希望しています。」

例文(体調不良で休んでいる最中に電話で):「休んでいる中でのご連絡になり、すみません。体調のこともあり、退職させていただくことにしました。手続きは書面かメールで進めさせてください。」

言葉に詰まりそうなら、メモを手元に置いて読み上げてかまいません。上司が怖くて対面そのものがつらい人は、パワハラ上司に退職を言うのが怖いとき:会わずに伝える選択肢を先に読んでください。

理由の言い方の例文:短く、事実の範囲で

退職の申入れに理由を添える決まりはありません。ただ、上司は理由を尋ねることが多いので、答え方を一つ用意しておくと落ち着いて話せます。ポイントは、後から確かめられても困らない、事実の範囲の言い方にすることです。作り話の理由(親の介護、地元に帰る、など)は、手続きの途中で話が合わなくなり、かえって長引く原因になります。

理由の種類 言い方の例 気をつけること
一身上の都合 「一身上の都合です。家族とも話して決めました。」 重ねて聞かれても、同じ答えを繰り返してよい
次の仕事・やりたいこと 「別の分野に挑戦したいと考えるようになりました。」 転職先の社名は言わなくてよい
体調 「体調を崩していて、療養を優先したいと考えています。」 病名まで話す必要はない
働き方・家庭 「今の勤務形態を続けるのが難しくなりました。」 条件の調整を持ちかけられたら、決めたことだと伝える
職場の人間関係 「職場の環境について考えた結果です。」 誰の何が原因かを、その場で詳しく話すかは別に決める

「ほかの理由を言えば残ってくれるのか」と言われたときは、理由を説明し直すのではなく、結論に戻るのが近道です。

例文:「ご配慮はありがたいのですが、条件の問題ではなく、すでに決めたことです。退職日と引継ぎの相談をさせてください。」

退職日と引継ぎの伝え方の例文

理由よりも大事なのが、退職日と最終出社日、有給休暇の扱いを伝えることです。ここがあいまいだと、退職日が先延ばしにされやすくなります。

  1. 退職日を日付で言う:「来月あたり」ではなく「○月○日」
  2. 最終出社日を分けて言う:有給休暇を使うなら、最後に出社する日と退職日は別になる
  3. 引継ぎの見通しを添える:誰に、何を、いつまでに渡すか
  4. 話した内容をメールで送る:口頭の申入れの日時と中身を残す

例文:「退職日は○月○日を希望しています。残っている年次有給休暇を最後に使いたいので、最終出社日は○月○日になる予定です。担当している○○の引継ぎ資料は、○日までにまとめて△△さんにお渡しします。」

話した後に送るメールの例:「本日はお時間をいただき、ありがとうございました。お伝えしたとおり、○月○日付で退職させていただきます。引継ぎの予定は先ほどお話ししたとおりです。退職届は改めて提出します。」

意思表示は相手に届いた時に効力を生じます(民法第97条1項)。口頭だけで済ませると、伝えた日を後から争われたときに示すものがないので、当日中に同じ内容を文字で送っておきます。メールの書き方は次の記事の退職をメールで伝えてもいい?上司・人事への退職メール例文で、場面別に扱っています。

パワハラが理由のとき:口にするか、誰に伝えるか

パワハラが退職のきっかけでも、上司に向かってそれを口にするかどうかは、自分で選んでかまいません。決めるときは、次の3点を考えます。

  • 伝える相手が加害者本人かどうか:本人に理由を言うと、その場で否定されたり、退職日まで関係がさらに悪くなったりすることがある
  • 会社に対応や記録を求めたいかどうか:求めるなら、上司ではなく人事や相談窓口に、日付と出来事を書面で伝える方が残りやすい
  • 退職日まで同じ職場にいるかどうか:有給休暇で出社しないなら、話がこじれても影響は小さい

上司本人が加害者のときは、切り出す相手を上司の上司か人事に変えるのも一つの方法です。

例文(人事あて):「直属の上司とは話しづらい事情があるため、人事部に直接ご連絡しました。○月○日付で退職したいと考えています。手続きの進め方を教えてください。」

伝える場合と伏せる場合の違い、離職理由との関係は、パワハラを退職理由として伝えるべき?伝える・伏せるの判断材料で整理しています。

自分で伝える方法をいくつ考えても、会社に連絡すること自体が難しいときは、退職代行に連絡を任せる選択肢もあります。選ぶときは、運営形態(弁護士・弁護士法人か、労働組合か)、交渉まで頼める範囲、料金に含まれるもの、返金の条件を確かめてください。

辞めると決めきれていない段階なら、伝え方より先に会社を辞めたいのは甘え?迷うときに確かめたい5つの視点で考えを整理しておくと、切り出したときに迷いが出にくくなります。入社して間もない人は、試用期間中に会社を辞めたいときも合わせて読んでください。

よくある質問

Q. 退職の切り出しは、朝と夕方のどちらがいいですか?

上司が落ち着いて話を聞ける時間帯が向いています。会議や締め切りの直前を避け、終業の少し前など、話が長引きにくい時間を選ぶ人が多いです。決まりはないので、上司の予定表を見て空いている枠をお願いしてください。

Q. 退職の理由を「一身上の都合」とだけ言うのは失礼ですか?

失礼には当たりません。民法は退職の申入れに理由を求めていないので、一言で済ませる伝え方は広く使われています。重ねて聞かれたら、「家族とも話して決めたことです」など、事実の範囲で一言足せば十分です。

Q. 上司が不在がちで、なかなか切り出せません。

先にチャットやメールで「ご相談したいことがあるので、15分お時間をください」と予約を取るのが近道です。それでも時間が取れないときは、上司の上司か人事に同じ依頼をし、話す場を設けてもらってかまいません。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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