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パワハラで辞めるときの退職届の書き方:理由の書き方と例文

この記事のもくじ
  1. 退職願と退職届の違い:出す前に決めること
  2. 退職届に書く項目と基本の例文
  3. 理由欄の書き方:3つのパターン
  4. 出し方と、書いたあとの確認

パワハラで辞めるときの退職届は、「退職届」と題し、退職日を日付で書き、理由欄は短く書くのが基本です。「退職願」は会社の承諾を求める文書で、「退職届」は辞める意思を一方的に告げる文書、という違いがあります。理由欄に「一身上の都合」と書くか、パワハラの事実を書くかは、あとでもらう離職票や失業保険との関係で選び方が変わります。この記事では、書く項目、3パターンの理由欄の例文、出し方の注意を順に示します。

退職願と退職届の違い:出す前に決めること

高知県労働委員会のQ&Aは、期間の定めのない雇用の退職の方法を2つに分けています。

書類 法的な意味 会社の承諾 出した後の撤回
退職願 合意解約の申入れ(辞めたいとお願いする) 承諾が前提 会社が承諾するまでは撤回できる
退職届・辞表 辞職の意思表示(辞めると一方的に告げる) 要らない(民法第627条1項) 会社に届いた時点で撤回できなくなる

同Q&Aは、「退職届」と書いてあっても、文面によっては合意解約の申入れと受け取られることがあり、辞職の意思を明確に書く必要がある、とも説明しています。承諾を求める書き方を避け、「退職いたします」と言い切る形にします。

パワハラの被害を受けている人には、退職届が合います。「退職願」では会社が承諾しなければ話が進まず、引き止めや先延ばしの材料にされやすいからです。迷いがまだ残っているなら、提出を急がず、先にパワハラで退職するか迷うとき:辞める前に済ませておくことで準備を確かめてください。

退職届に書く項目と基本の例文

民法第627条1項は、辞職の申入れに書面や理由を求めていません。文書にするのは、申入れの中身と届いた日を残すためです。次の項目があれば足ります。

  1. 題名:「退職届」
  2. 本文:退職すること、退職日(具体的な日付)
  3. 提出日(作成日ではなく出す日)
  4. 所属部署と氏名(署名)
  5. 宛名:会社名と代表者名(または人事の責任者)

例文(基本形): 退職届 私儀、このたび一身上の都合により、2026年11月30日をもって退職いたします。 2026年11月10日 ○○部 山田 太郎 株式会社○○ 代表取締役 ○○ ○○ 殿

退職日は、届く日から2週間より後の日にします。数え方は退職は2週間で成立する?民法627条・628条と即日退職の考え方の表で確かめられます。郵送なら届く日数を見込んでください。

理由欄の書き方:3つのパターン

パワハラが理由のとき、理由欄は次の3つから選びます。違いは、あとで離職票の離職理由がどう扱われるかです。

理由欄の書き方の比べ表
パターン 書き方 向く人 気をつけること
A 一身上の都合 「一身上の都合により」 早く静かに辞めたい。会社に争点を作りたくない 自己都合の退職届として会社に保管される
B 事実を短く書く 「職場環境により就業の継続が困難なため」 理由を残したいが、詳細は書面にしたくない 具体的な出来事は書かず、別の記録で補う
C 出来事まで書く 「○月○日以降の上司の言動により…」 すでに会社に申告し、記録も整っている 加害者の否認や反論を招く。事実だけに絞る

パターンAは最も広く使われる形で、角が立ちません。ただし、失業保険の離職理由は退職届の文言だけで決まるものではなく、ハローワークが事実を調べて判定します。ハローワークの資料には、特定受給資格者の範囲として「上司、同僚等からの故意の排斥又は著しい冷遇若しくは嫌がらせを受けたことによって離職した者」が挙がっています。退職届が「一身上の都合」でも、判定の材料になるのは日時や内容の記録です。離職票の離職理由は会社が離職証明書に書き、本人も記名して内容を確認する流れなので、記載が事実と違うと感じたら、記名の前に会社へ確かめ、納得できなければハローワークに相談します。判定の考え方はパワハラで退職したときの失業保険:特定受給資格者になる場合と確かめ方で扱っています。

例文(パターンB): 私儀、職場環境により就業を継続することが困難となったため、2026年11月30日をもって退職いたします。

例文(パターンC): 私儀、2026年4月以降、上司から業務上必要のない叱責を繰り返し受け、就業環境が害されたため、2026年11月30日をもって退職いたします。この件について、人事部には2026年8月12日に相談しています。

パターンCを選ぶなら、言動を断定的な評価語で書かず、日付・出来事・相談した事実だけを並べます。「パワハラをした」と書くと、会社が事実を争う入り口になりやすいからです。パワハラを理由として口にするかどうかの判断材料は、パワハラを退職理由として伝えるべき?伝える・伏せるの判断材料に分けてまとめました。

どのパターンでも、記録は退職届とは別に保管します。書き方はパワハラの記録の書き方:日時・言葉・場所・目撃者を残す記入例つきを使ってください。

出し方と、書いたあとの確認

退職届は、書いて終わりではありません。出し方によって、「届いた日」を示せるかが変わります。

  • 手渡し:控え(コピー)にも受領印か受け取った人の署名と日付をもらう。断られたら、その場で口頭の申入れの日時をメモする
  • メール添付:本文に退職の意思を書き、PDFを添付する。送信記録を保存する
  • 郵送:配達の記録が残る方法を使う。手順は退職届を郵送で出す方法:受け取ってもらえないときの内容証明に書きました

提出の前に、チェックしておくことが3つあります。

  • 日付(退職日・提出日)が正しいか
  • 理由欄の文言を、自分で選んだか(選択式の書式に流されていないか)
  • 控えを手元に残したか

退職後に、退職の事由を書いた退職証明書を請求できます。厚生労働省のQ&Aは、会社と見解が食い違う場合に会社が自らの見解を記載しても違法にはならない一方、虚偽の記載は義務を果たしたことにならない、と説明しています。請求は退職から2年で時効になります。離職票が届かないときの動きは離職票が届かないとき:会社への請求とハローワークへの相談にあります。

弁護士運営の退職代行や、団体交渉の権限を持つ労働組合が運営する退職代行を使う場合は、本人が書く退職届の代わりに委任状と文面を整えることになります。違いは退職代行を使うときの退職届:書き方・送り方と委任状の役割で比べられます。

よくある質問

Q. 退職届に押印は必要ですか?

民法第627条1項は申入れの方式を定めておらず、押印を求める規定はありません。会社が様式を用意していて押印欄がある場合は、それに従うと手続きが進みます。様式がないときは署名だけで出し、受け取った記録を残すことを優先してください。

Q. 退職届を出した後に、やっぱり取り消したくなったらどうなりますか?

高知県労働委員会のQ&Aは、辞職の意思表示は会社に届いた時点で撤回できなくなると説明しています。退職願は会社の承諾があるまでは撤回できるとされます。迷いが残るうちは「退職届」と題して出さず、考えがまとまってから出してください。

Q. 会社の書式でないと受け付けないと言われました。

会社の書式を使うのは構いませんが、理由欄が「自己都合」の選択式になっているときは、そのまま丸をつける前に確かめてください。使わずに自分で作った書面を渡しても、会社に届いた日が残れば申入れは成り立ちます。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

退職届を郵送で出す方法:受け取ってもらえないときの内容証明

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