アルバイトでも退職代行は使える?自分で辞める方法との比較
アルバイトでも退職代行は使えます。ただ、アルバイトの多くは自分でメールや書面で伝えれば足りるので、費用をかけて頼むかは、辞める相手との関係と、話し合いが必要になるかで決めます。ここでは、法律上の辞め方、自分で伝える文例、退職代行が費用に見合うかの見分け方を順に並べます。
アルバイトの退職の仕組み
アルバイトも労働契約で働く労働者で、契約の形で辞め方が分かれます。労働条件通知書か雇用契約書の「契約期間」の欄で、まず確かめます。
| 契約期間の欄 | 辞め方 |
|---|---|
| 「期間の定めなし」 | 申入れから2週間で雇用が終わる(民法627条1項) |
| 「〇か月(更新あり)」「〇年〇月まで」 | 契約期間の途中は、民法628条の「やむを得ない事由」が問題になる。店と合意すれば期間の途中でも辞められる |
| 契約期間が1年を超える | 契約開始から1年を経過した後は、申し出ていつでも退職できる(労働基準法附則137条、一定の例外あり) |
| 書面を受け取っていない | 労働条件の書面を店に請求し、口頭の約束はメモに残す |
シフト制で「毎月シフトを出す」働き方でも、契約書の期間欄が基準になります。シフトが組まれた日を休むことになっても、それだけで損害賠償が決まるわけではありません。労働基準法15条2項は、明示された労働条件が事実と違えば即時に解除できると定めていて、聞いていた時給や勤務時間と違うときは、この条文も関わります。
アルバイトにも有給休暇があります。 週の所定労働時間が30時間未満で週3日勤務なら、6か月継続して全労働日の8割以上出勤したときに5日が付与されます(労働基準法施行規則24条の3の比例付与)。辞める前に残日数を店に聞いて、最終出勤日の前に使うのが基本です。
自分で伝える:口頭・メール・書面の文例
伝え方は、相手が受け取りやすい順に3つあります。
1. 店長に直接、またはLINEで伝える
「今月いっぱいで辞めたいと考えています。最終出勤日は〇月〇日を希望します。勝手を言ってすみません。シフトの調整が必要でしたら、〇日以降は入れませんとお伝えします。」
2. メールで伝える(店長が怖い、顔を合わせたくないとき)
件名:退職のご連絡(氏名) 「お疲れさまです。〇〇です。〇月〇日付で退職したく、ご連絡しました。最終出勤日は〇月〇日を希望します。残っている有給休暇は〇日と承知しています。制服と鍵は〇日に郵送します。ご不明点はメールでお願いします。」
3. 書面を郵送する(受け取りを拒まれたとき)
退職届を書いて、追跡のできる方法で本部や店舗の所在地に送ります。控えと送った記録を保存します。手順は退職届を郵送で出す方法:受け取ってもらえないときの内容証明にあります。
民法627条1項の「2週間」は、申入れが相手に届いた日から数えます。メールなら送信記録、郵送なら配達の記録が日付の証拠になります。
退職代行が費用に見合うかを見分ける
次の質問に当てはまる数で、考え方が変わります。
| 質問 | 当てはまるとき |
|---|---|
| 店長や店の人に退職を伝えるのが怖い、言うと怒鳴られる | 退職代行を検討してよい。ただし怒鳴られるのが問題なら、先に記録や相談窓口がある |
| 辞めると言うと「辞めさせない」と言われた | 書面で届ける方法(上の3)をまず試す。それでも受け取られないときに検討 |
| 給料の未払いや制服代の請求がある | 労働組合運営か弁護士運営の候補になる |
| 辞める意思を伝えるだけで足りる | 自分で伝える方法で足りることが多い |
費用に見合うかは、料金を自分の収入と比べると分かりやすくなります。時給1,100円で1回5時間、週3日、月4週働く人の月収は、1,100円×5時間×3日×4週で66,000円です(筆者の計算)。退職代行の料金がその何割にあたるかを見て、必要な理由があるかを考えます。料金は事業者ごとに違うので、申込み前に各社の料金表(確認日つき)で、基本料金に含まれる範囲を確かめます。自分で辞める費用と比べた表は退職は自分で伝えるか退職代行を使うか:費用・手間・リスクの比較にあります。
アルバイトの退職代行は、民間企業・労働組合・弁護士のどれでも選べます。違いは退職代行の弁護士・労働組合・民間企業の違い:交渉できる範囲を比較で確かめられます。
雇用契約を結ばない働き方(業務委託・フリーランス)の場合は、退職ではなく契約解除の話になります。違いは業務委託・フリーランスは退職代行を使える?にあります。正社員の場合は正社員が退職代行を使うときを読んでください。
辞めたあとに確かめること
- 最後の給料:労働基準法23条は、退職したとき、本人が請求すれば7日以内に賃金を支払うよう定めています。請求の日付はメールに残します
- 制服・名札・鍵:郵送で返す方法を店に伝えます。手順は退職時の貸与品の返却と私物の受け取り:会わずに済ませる方法にあります
- 給料からの差し引き:商品の買取や罰金の名目で引かれていた場合は、24条の全額払いの原則に反しないかを、労働基準監督署で確かめられます
- 辞めたあとのつらさ:店長のパワハラが原因なら、記録と相談の方法がアルバイトのパワハラ:店長からの暴言・シフト外しの相談先にあります
よくある質問
Q. 学生のアルバイトでも、退職代行を使って辞められますか?
雇用されて働いているなら、正社員と同じく退職の意思を伝えられます。学生かどうかで退職の仕組みは変わりません。ただ、費用が負担になる場合が多いので、先に自分で伝える文例を試すか、学校の相談窓口や家族に同席してもらう方法を検討する余地があります。
Q. シフトが決まっている月の途中で辞めると、代わりを探す責任を負いますか?
代わりの人を探すのは店側の責任で、退職の条件にはなりません。ただ、シフトが組まれていることを理由に引き止められやすいので、最終出勤日を書面で示し、入れる日と入れない日を分けて伝えると話が進みます。
Q. 辞めたら、店から「商品代を払え」「罰金だ」と言われました。払う必要はありますか?
辞めたら罰金などの違約金を、あらかじめ決めておく契約は、労働基準法16条が禁じています。給料から一方的に差し引く行為も、24条の全額払いの原則に触れるおそれがあります。請求の文面は保存し、労働基準監督署や総合労働相談コーナーに見せて扱いを聞いてください。
出典・参考にした公的な情報
- 民法 第627条・第628条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 労働基準法 第15条・第16条・第23条・第24条・第39条・附則第137条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 労働基準法施行規則 第24条の3(年次有給休暇の比例付与)(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。