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パートのパワハラ:パート同士・社員からの嫌がらせの相談先

この記事のもくじ
  1. パート同士でも、パワハラの指針の対象になるのはなぜか
  2. パートの職場で多い場面と、指針の見方
  3. パートの勤務で使える記録の取り方
  4. 相談の順番と、伝え方の例
  5. 契約更新やシフトが不安で言い出せないとき

パートで受ける嫌がらせは、相手が同じパートでも、社員でも、パワハラの指針の対象になりえます。指針が対象とする「労働者」には、正規雇用だけでなく、パートや契約社員などすべての労働者が含まれます。「パートだから我慢するもの」という決まりはありません。この記事では、パート同士で起きる場面の整理、シフトを使った記録の取り方、店長・本社・労働局への相談の順番を説明します。

パート同士でも、パワハラの指針の対象になるのはなぜか

パワハラは、①優越的な関係を背景とした言動で、②業務上必要かつ相当な範囲を超え、③就業環境が害されるもの、の3つをすべて満たすものと指針は定めています。パート同士の場合に問題になるのは①です。上司と部下の関係がなくても、指針は次のような言動を「優越的な関係を背景とした」ものに含めています。

  • 同僚や部下による言動で、業務に必要な知識や豊富な経験を持ち、その協力が得られなければ業務の円滑な遂行が困難なもの
  • 同僚や部下からの集団による行為で、抵抗や拒絶が困難なもの

勤続の長いパートが、仕事のやり方を握っていて、新しく入った人が頼らなければ動けない職場は、前者に近くなります。複数人で一人を無視する形は、後者に近い構図です。

指針の「人間関係からの切り離し」の該当例には、一人の労働者に対して同僚が集団で無視をし、職場で孤立させることが挙がっています。「おばさん」「ボス的な人」といった呼び方で語られる関係でも、見るのは呼び方ではなく、何が、誰から、どのくらい続いているかです。

パートの職場で多い場面と、指針の見方

早見表:場面と指針の類型の対応(該当は個別に判断される)
場面 近い類型 記録するポイント
ベテランが挨拶を返さない、会話の輪に入れない 人間関係からの切り離し いつから、何人で、どの場面で
仕事のやり方を教えず、間違えると皆の前で責める 精神的な攻撃 教えてもらえなかった内容、責められた場面と言葉
病歴や不妊治療など個人的なことを、了解なく他の人に話される 個の侵害 話した人、聞いていた人、広まった範囲
担当外の掃除や私用の雑用を一人だけに回される 過大な要求 頼まれた内容と頻度、他の人との違い
気に入らない人にだけ仕事を与えない 過小な要求 勤務中に何をしていたか、指示の有無
暴言や机をたたくなどの威圧 精神的な攻撃(身体に触れれば身体的な攻撃) 言葉、物にあたった事実、周囲の人

右の列の記録で、頻度と継続性、他の人との扱いの違いを示せるようにします。指針は、言動の態様、頻度、継続性を総合して「業務上必要かつ相当な範囲」を超えているかを見ると定めています。

パートの勤務で使える記録の取り方

勤務日数が少なく、シフトで入る時間が違うパートでは、記録の軸を勤務日に置くと続けやすくなります。

  1. シフト表の写しを月ごとに撮って保存する(誰と同じ時間に入っていたかの裏付けになる)
  2. 勤務のあった日ごとに、1行で「日付/時間帯/誰が/何を言った・した」をメモする
  3. 休憩室や更衣室など、目撃者が少ない場所での出来事は、その直後に書く
  4. 体調の変化(出勤前の動悸、眠れない日が続く)も、日付と合わせて書く
  5. 店長や社員に伝えたことがあれば、日付と返答を残す

記録の書き方の型はパワハラの記録の書き方:日時・言葉・場所・目撃者を残す記入例つきにあります。

相談の順番と、伝え方の例

パートの相談先は、規模に関わらず、事業主が設ける窓口が基本です。指針は事業主に、パートを含む労働者のための相談窓口を決めて周知することを求めており、該当するか微妙な場合も広く相談に対応することを求めています。

  1. 店長や責任者に事実を伝える。加害者が店長のときは、本社の担当部署や、窓口が決められていればそちらへ
  2. 会社に窓口がなければ、労働局の総合労働相談コーナーへ。無料で、予約不要、面談と電話で相談できます
  3. 雇用環境・均等部(室)で、パワハラの相談や、紛争解決の援助・調停を使う。パワハラの紛争は、労働局長の助言・指導・勧告と、紛争調整委員会の調停という手続きがあります(労働施策総合推進法36条・37条)。申請を理由とする不利益取扱いも禁じられています

窓口ごとの番号と時間は、パワハラの相談窓口一覧:電話番号・受付時間・できることの早見表で確かめてください。

店長や責任者に伝えるときの例です。

「相談したいことがあり、お時間をいただけますか。〇月に入ってから、〇〇さんから挨拶を返してもらえない状態が続いています。〇日、〇日、〇日の勤務で、他のスタッフの前で『何度言ってもわからない』と言われました。仕事に支障が出ているので、一度話を聞いていただきたいです。」

言い方は、事実を日付ごとに並べ、希望(話を聞いてほしい、席やシフトの配慮がほしい)を一つに絞ると、受け取る側が動きやすくなります。

契約更新やシフトが不安で言い出せないとき

パートは、契約期間やシフトに左右されるため、相談をためらいがちです。ここでは三点だけ確かめます。

同じ職場にいる派遣社員やアルバイトの人も、使える窓口があります。派遣は派遣社員のパワハラ相談先:派遣元・派遣先それぞれの責任、アルバイトはアルバイトのパワハラ:店長からの暴言・シフト外しの相談先で整理しています。特にベテランからの無視や嫌味が中心なら、お局のパワハラ・嫌がらせへの対処:無視・嫌味・仕事を回さない場合も合います。聞いていた条件と違って困っている場合は、入社前と違う労働条件だったとき:明示された条件の確かめ方と相談先を先に読んでください。

シフトが減らされたときの休業手当の考え方は、アルバイトのパワハラ:店長からの暴言・シフト外しの相談先にまとめています。

よくある質問

Q. 同じパートの先輩からのいじめでも、パワハラとして相談できますか?

相談はできます。指針は、同僚の言動でも、業務に必要な知識や経験を持ち、その協力が得られないと仕事が回りにくい人からの言動や、集団による行為で抵抗しにくいものは、優越的な関係を背景とする例に挙げています。立場が同じかどうかよりも、断れる関係だったかが見られます。

Q. 相談したことで、契約を更新してもらえなくなるのが心配です。

労働施策総合推進法31条2項は、労働者が相談したことや、事実確認に協力して事実を述べたことを理由とする解雇その他の不利益な取扱いを禁じています。心配が強いときは、会社の窓口より先に労働局の総合労働相談コーナーに話し、順番や伝え方を相談員と決める方法があります。

Q. 社員の指示が強すぎて、パートの私には断れません。これもパワハラですか?

指針は、業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動で、就業環境が害されるものを対象とします。業務を頼むこと自体は該当しませんが、仕事と関係のない私用の雑用を強制的にさせる例は、過大な要求の該当例に挙がっています。何を頼まれたかを記録して、窓口で確かめてください。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

入社前と違う労働条件だったとき:明示された条件の確かめ方と相談先

派遣社員のパワハラ相談先:派遣元・派遣先それぞれの責任

アルバイトのパワハラ:店長からの暴言・シフト外しの相談先

お局のパワハラ・嫌がらせへの対処:無視・嫌味・仕事を回さない場合