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教員がパワハラで休職するとき:公立・私立で違う手続きとお金

この記事のもくじ
  1. 公立と私立で変わるところ
  2. 公立学校の教員:病気休暇から休職、共済の傷病手当金へ
  3. 私立学校の教員:就業規則と健康保険・私学共済
  4. 診断書から申請までの順番
  5. 年度の途中で休むとき、その後を考えるとき

教員がパワハラで休むときは、公立か私立かで、休む名目も、お金の出どころも変わります。公立は、病気休暇、休職の順に進み、給与が減ったあとは共済組合の傷病手当金が支えになります。私立は、就業規則の休職規程と、健康保険または私学共済の傷病手当金です。この記事では、それぞれの流れを並べ、診断書から申請までの順番を示します。

公立と私立で変わるところ

まず自分の学校が公立か私立かを確かめます。公立学校の教員は地方公務員で、休職は地方公務員法の分限の仕組みです。私立学校の教員は民間の労働者で、休職は学校法人の就業規則で決まります。

比較表:教員の休職と給付(公立・私立)
項目 公立学校 私立学校
休む名目 病気休暇 → 休職(分限) 就業規則の休職(私傷病休職など)
期間・給与の根拠 自治体の条例・規則 就業規則・給与規程
給与が出ないときの給付 公立学校共済組合の傷病手当金 健康保険または私立学校教職員共済の傷病手当金
仕事が原因と認められたとき 公務災害の補償 労災保険

私立学校の場合、どの保険に入っているかは学校ごとに違うので、事務担当に加入先を最初に確かめます。

公立学校の教員:病気休暇から休職、共済の傷病手当金へ

公立学校の教員は、まず病気休暇を使い、療養が長引くときに休職へ進む流れが基本です。病気休暇の日数と休暇中の給与は、条例や規則で定められます。休職については、地方公務員法第28条第2項第1号が、心身の故障のため長期の休養を要する場合に休職にできると定め、手続きと効果は条例で定めるとしています(同条第3項)。休職は任命権者が行う処分で、本人の請求で承認される病気休暇とは別物です。

給付は共済組合から出ます。公立学校の教職員は、地方公務員等共済組合法の組合員です。傷病手当金は、公務によらない病気で、療養のため引き続き勤務できないときに、勤務できなくなった日から3日を経過した日以後の期間について支給されます(第68条)。要点は次のとおりです。

休職中の給与そのものは、国家公務員の例では、私傷病の休職は満1年に達するまで俸給などの100分の80を支給できると給与法が定めています(一般職の職員の給与に関する法律第23条第3項)。地方公務員は条例で決まるので、勤務先の給与条例で確かめます。

健康保険の傷病手当金と分母が違います(健康保険は30分の1)。計算の例を、仮の数字で示します(筆者の計算)。標準報酬の月額の平均が33万円なら、33万円÷22=15,000円、その3分の2で1日あたり10,000円です。実際の額は、所属する共済組合の標準報酬で決まります。

パワハラが原因の病気で、公務上の災害と認められたときは、傷病手当金ではなく公務災害の補償が対象です。地方公務員では地方公務員災害補償基金が窓口で、被災した職員が任命権者を経由して認定を請求します。補償を受ける権利は原則2年(障害補償・遺族補償は5年)で時効にかかるので、迷う段階でも、請求できる期限があることは頭に置いてください。手続きは公務員のパワハラ労災は公務災害:地方・国家公務員の申請先にまとめています。

私立学校の教員:就業規則と健康保険・私学共済

私立学校の教員の休職は、学校法人の就業規則(休職規程)が中心です。休職の期間、休職中の給与の有無、勤続年数による長さの違い、復職の判定方法などは、学校ごとに違います。就業規則は、職員室や事務室で閲覧を頼めます。

給付は、加入している保険で変わります。

  • 協会けんぽなどの健康保険:仕事に就けない日が連続3日(待期)を含み4日以上続き、給与が出ない期間に、4日目から支給されます。1日あたりは標準報酬月額の平均の30分の1の3分の2、期間は支給開始から通算1年6か月です
  • 私立学校教職員共済:傷病手当金が短期給付の1つとして法律に定められ(私立学校教職員共済法第20条)、国家公務員共済組合法の規定を準用して運営されます(第25条)。金額と手続きの詳細は、事業団のページや学校の事務担当で確かめます

休職の通知や診断書の出し方は学校法人の様式にそろえます。パワハラが原因なら、労災保険の請求という道もあります。業務上の病気は健康保険の傷病手当金の対象外なので、労災として扱われる見込みがあるかは労働基準監督署に確かめてください(パワハラによる精神障害の労災認定:3つの要件と申請の流れ)。

診断書から申請までの順番

公立でも私立でも、動き出す順番はほぼ同じです。

  1. 受診して診断書をもらう:診断書の書き方は医師の判断です。パワハラが原因だと伝えたい場合は、出来事と症状を時系列で医師に話します(パワハラで診断書をもらうには:受診で伝えることと証拠としての使い方)
  2. 学校の事務や管理職に休む意思を伝える:公立は校長を経由して教育委員会へ、私立は学校法人へ。経路は教育委員会の規則や学校の規程で確かめる
  3. 休む名目を確かめる:病気休暇、休職、年次有給休暇のどれで休み始めるか。有給と傷病手当金の順番はパワハラ休職の前に有給を使う?傷病手当金との順番と待期の数え方で整理しています
  4. 給付の申請書を出す:公立は共済組合、私立は協会けんぽや健康保険組合、または私学共済。申請書の様式は加入先のページにあります
  5. 加害者との関係は別の窓口で進める:休職と並行して、記録を残し、相談窓口に出す(教師のパワハラ:校長・同僚からの被害の相談先(教育委員会・人事委員会))

学校に休む意思を伝えるときの一文の例です。

「〇月〇日付で診断書を提出します。医師の指示により、〇月〇日から療養のため休みたく、必要な手続きと提出書類を教えてください。」

年度の途中で休むとき、その後を考えるとき

文部科学省の令和6年度調査では、精神疾患による病気休職者は7,087人(全教育職員の0.77%)でした。休職は特別なことではなく、制度を使うための手続きが用意されています。年度の途中で休む場合、担任の引き継ぎは、管理職と相談して進めます。

休職のあと、戻るか辞めるかの判断は、体調が落ち着いてから考えて間に合います。公務員全体の休職の仕組みは公務員がパワハラで休職するとき:病気休暇と休職の違い・給与・傷病手当金、傷病手当金の基本は休職中の傷病手当金はいくら?条件・計算式・期間を協会けんぽで確認にあります。辞める場合の手続きは教員が退職代行を使うとき:年度途中の辞職と公立・私立の違いで確かめてください。

よくある質問

Q. 公立学校の教員の休職中の給料は、国家公務員と同じですか?

同じとは限りません。地方公務員法は、休職の手続きと効果を条例で定めるとしています(第28条第3項)。休職中の給与の割合や期間は、勤務先の自治体の条例や規則で確かめます。国家公務員の仕組みは別の記事で扱っています。

Q. 病気休暇と休職は何が違いますか?

病気休暇は、療養のために勤務しないことを職員が請求して承認を受ける休暇として運用されるのが一般的です。休職は、心身の故障で長期の休養が必要なときに、任命権者が行う分限の処分です。日数や給与の扱いは、どちらも自治体の条例や規則で決まります。

Q. 私立学校の教員でも傷病手当金はもらえますか?

学校が加入している保険で決まります。協会けんぽなどの健康保険なら、仕事に就けない日が連続3日を超えて4日目から、給与が出ない期間に支給される仕組みです。私立学校教職員共済に加入している学校なら、共済の短期給付の傷病手当金になります。加入先の窓口で確かめてください。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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