相談先と窓口 / 基本ガイド

パワハラの相談はどこへ?窓口ごとにできることと選ぶ順番

この記事のもくじ
  1. パワハラの相談先は7つ:窓口ごとにできることの違い
  2. 状況別:パワハラの相談先を選ぶ順番
  3. 窓口ごとの「できないこと」を先に知っておく
  4. 相談の前にそろえておく記録と伝えること
  5. 公務員・フリーランス・退職した人は相談先が変わる
  6. 窓口別の詳しい記事

パワーハラスメント(パワハラ)の相談先は、まず社内の相談窓口か、都道府県労働局の総合労働相談コーナーが出発点になります。会社が信頼できない・社内で相談したら悪化しそうなら、労働局(総合労働相談コーナー、雇用環境・均等部(室))を先に使えます。お金の請求や解雇の争いなど法的な手段を考えるなら法テラスや弁護士、眠れない・限界に近いなら心の相談窓口、暴力や脅しがあるなら警察です。この記事では、窓口ごとに「できること・できないこと」と、状況別に選ぶ順番を整理します。電話番号と受付時間はパワハラの相談窓口一覧:電話番号・受付時間・できることの早見表にまとめています。

パワハラの相談先は7つ:窓口ごとにできることの違い

パワハラの相談先は、大きく7つに分かれます。どれが正解というより、「何をしてほしいか」で向き不向きが変わります。

早見表:パワハラの相談先7つと、できること
相談先 できること できないこと・注意 費用
① 社内の相談窓口・人事 事実確認、行為者への措置、配置の配慮などの社内の対応 窓口の運用は会社ごとに違う。守秘の範囲を先に確かめる 無料
② 労働局(総合労働相談コーナー) パワハラかどうか迷う段階も含めた相談、制度・手続の案内、担当部署への取次ぎ コーナー自体が会社に命令するわけではない 無料・予約不要
③ 労働局(雇用環境・均等部(室)) パワハラの相談、会社への助言・指導・勧告(援助)、調停の申請の受付 援助・調停は会社にも事情を聴く手続 無料
④ 労働基準監督署 残業代・賃金・解雇予告・労災など、労働基準法などの違反や労災保険 パワハラそのものの所管は③ 無料
⑤ 法テラス・弁護士 法的な手段の相談、代理(弁護士) 法テラスの無料法律相談には収入などの要件 要件・事務所による
⑥ 労働組合(社内の組合・ユニオン) 組合員のための会社との交渉 加入の条件・費用は組合ごと 組合費など
⑦ 心の相談(こころの耳など)・警察 気持ちの相談(心)、暴力・脅しへの対応(警察) 心の相談はパワハラかどうかの判断や会社への働きかけはしない 無料(通話料がかかる番号もある)

この表のうち、パワハラに直接かかわる公的な窓口は②と③です。都道府県労働局の中には雇用環境・均等部(室)があり、パワハラ・セクハラ・マタハラなどの相談と紛争解決の援助を扱っています。労働基準監督署は労働基準行政の第一線の機関で、労働条件や労災を担当しています。両者の違いは労基署と労働局の違い:パワハラはどちらに相談するのが合うかで比べています。

法律の根拠も押さえておくと、相談の場で話が通じやすくなります。会社には、パワハラの相談に応じて適切に対応する体制を整える義務があり(労働施策総合推進法第31条1項)、相談したことを理由に解雇などの不利益な扱いをすることは禁じられています(同条2項)。労働局による援助(第36条)と調停(第37条)も、この法律に定めがあります。

状況別:パワハラの相談先を選ぶ順番

迷ったときは、次の順番で考えると選びやすくなります。

  1. 身の危険があるか。 殴られた・物を投げられた・脅された・つきまとわれているなら、社内の手続より先に警察へ。窓口は職場で暴力・脅しを受けたら:110番と#9110、警察への相談の仕方
  2. 心と体が限界に近いか。 眠れない・食べられない・涙が止まらない状態が続くなら、受診と心の相談を先に。窓口は仕事がつらい・限界のときの相談先:電話・LINEの窓口と受付時間
  3. 会社を信頼できるか。 窓口が機能していて、相談しても漏れない見込みがあるなら社内の窓口から。行為者が社長や役員、窓口の担当者が行為者と近いなど、社内で相談しにくいなら労働局から
  4. 何を望むか。 「やめてほしい・離してほしい」なら社内窓口と労働局の援助・調停。「お金を請求したい・解雇を争いたい」なら弁護士や法テラス。「辞めたい」なら退職の手順を先に確かめる

まだパワハラか分からず話を整理したいだけなら、総合労働相談コーナーが入口です。残業代の未払いなど賃金の問題も重なっているなら、その部分は労働基準監督署、パワハラの部分は雇用環境・均等部(室)に分かれます。社内か社外かの判断は、パワハラ相談はどこから?社内と社外の選び方を状況別に整理で、会社への信頼・急ぎかどうか・望む解決の3つの軸に分けて詳しく扱っています。

窓口ごとの「できないこと」を先に知っておく

相談先選びでつまずくのは、窓口に「できないこと」を求めてしまう場面です。

総合労働相談コーナーは、会社に法令違反の疑いがあるときは労基署など権限を持つ部署に取り次ぎます。窓口を選び間違えても、正しい窓口へつないでもらえる点は覚えておくと安心です。

相談の前にそろえておく記録と伝えること

どの窓口でも、聞かれることはほぼ同じです。次の5つをメモにしておくと、短い時間でも話が伝わります。

  • いつ・どこで・誰に・何を言われた/されたか(日付ごとに。言葉はそのまま)
  • どのくらい続いているか(始まった時期と回数)
  • 証拠になるもの(メール・チャット・録音・メモ・診断書・目撃した人)
  • 体や仕事への影響(通院・欠勤・業務を外された 等)
  • 望む解決(やめてほしい・部署を変えてほしい・謝罪・お金・辞めたい 等)

窓口での最初の一言の例:「上司から、半年ほど人前で強く叱責され続けています。パワハラに当たるのか、会社にどう対応してもらえるのかを相談したくて来ました。日付ごとのメモを持ってきました。」

記録がそろっていなくても、相談はできます。「何を残せばよいか」を聞くこと自体も、相談の目的になります。

公務員・フリーランス・退職した人は相談先が変わる

民間企業で雇われて働く人と、相談先が違う人がいます。

窓口別の詳しい記事

費用の面では、総合労働相談コーナー、雇用環境・均等部(室)の相談・援助・調停、労働基準監督署は無料です。厚生労働省の案内では、援助と調停は「無料で利用できます」とされ、関係者以外に内容は公にされないと説明されています。弁護士への相談・依頼と労働組合の加入には費用がかかる場合があります。どこに相談しても、すぐに会社と争う必要はなく、選べる道を知ったうえで次にどうするかは自分で決められます。窓口ごとの詳しい記事は次のとおりです。

まずは窓口の番号と受付時間を、パワハラの相談窓口一覧で確かめてください。

よくある質問

Q. パワハラかどうか自分で判断できなくても相談してよいですか?

相談してかまいません。総合労働相談コーナーは、パワハラかどうか分からない段階の労働問題も広く受け付けています。相談の場で「指針の3要素に照らすとどう見えるか」を一緒に整理してもらうつもりで、出来事の記録を持っていけば十分です。

Q. 相談したら、会社にすぐ連絡がいきますか?

相談だけで、会社への働きかけが始まるわけではありません。厚生労働省の案内では、相談を受けた雇用環境・均等部(室)は使える手続を説明し、紛争解決の援助は「ご希望に応じ」て行うとされています。会社に働きかけてもらうのは本人が援助や調停を申し出たときで、その段階では会社にも事情を聴く手続になります。どこまで進めるかは相談のあとで決められます。

Q. 弁護士に相談するのは、どの段階からがよいですか?

会社に金銭を請求したい、解雇や退職の条件で争いになっている、労働局の調停で話がまとまらなかった、という段階が一つの目安です。それより前でも、記録の整え方や手段の比べ方を聞く目的で相談することはできます。費用が心配なら、収入などの要件を満たせば法テラスの無料法律相談も使えます。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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